日本は自然災害が多い国で、集中豪雨、台風、大雪などの被害は少なくありません。これまでの旅行中にこのような災害に見舞われ、搭乗予定便の欠航や遅延に遭った人もいるでしょう。
そのような時に助けとなるのが航空機遅延保険で、ホテル代や食事代の補償を受けることができます。マイラーであれば、所持しているクレジットカードに航空機遅延保険が付帯していることも珍しくありません。しかし、ほとんどが海外旅行のみ対象となっており、国内旅行に適用されるものは思っていたより少ないのです。
今回は国内旅行で適用される航空機遅延保険について、クレジットカード毎の情報や、保険が付帯しているクレジットカードを持っていない場合の対応についてまとめました。
目次
国内旅行での航空機遅延保険があるクレジットカード
自動付帯と利用付帯の違い
これらのクレジットカードでも、航空機遅延保険が自動付帯される場合と、利用付帯となっている場合に分かれています。
自動付帯とは、そのクレジットカードを保有しているだけで保険が自動的に適用されるものです。
もう一方の利用付帯と比較しての大きなメリットは、特典航空券での旅行や、ANA SKYコインやe JALポイントなどのポイントで購入した航空券での旅行も、自動的に保険でカバーされることです。
利用付帯とは、事前にクレジットカードで航空券などの料金を支払うことが保険の適用条件となるものです。
保険を利用したいクレジットカードで航空券を購入する必要があり、特典航空券での旅行や、各種ポイントで購入した航空券での旅行は対象外となってしまいます。
まずは、確実に保険が適用される自動付帯のクレジットカードを見ていきましょう。
国内航空機遅延保険が自動付帯されるクレジットカード
基本的には、各カードで条件を満たす最低限ランクのものを掲載しています。
例えば、JCBゴールドは対応していますので、より上位のJCBプラチナやJCBザ・プレミア、JCBザ・クラスもOKです。他のカードも、ゴールドカードで対応していれば、より上位のプラチナカードでも対応しています。
JCB ゴールドカード
私が確認できた範囲では、年会費が10,000円と最も安く国内航空機遅延保険が自動付帯となるカードです。
本格的なマイラーには物足りないかもしれませんが、ゴールドカードとして羽田空港のPOWER LOUNGEなどのカードラウンジサービスがあり、さらには将来的にザ・プレミアやザ・クラスといったプレミアムなカードへインビテーション(招待)される可能性もありますので、入門用のカードとしてはおすすめです。
羽田空港のPOWER LOUNGEの訪問記はこちらをどうぞ。
ANA JCB ワイドゴールドカード
こちらはANAマイラーには言わずと知れたANAカードですね。SFCカードとして保有している方も多いのではないでしょうか。
ただし、ワイドゴールドか、より上位のプレミアムといったレベルのカードが必要で、カードブランドはJCB限定です。VISA、Master、AMEX、ダイナースは対象外となります。
JAL JCB CLUB-A ゴールドカード
こちらもJALマイラー御用達のJALカード、JGCカードとして保有している方も多いでしょう。
JALカードも、CLUB-Aゴールドか、より上位のプラチナが必要で、カードブランドはJCB限定、VISA、Master、AMEX、ダイナースは対象外となるのも同様です。
MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード
年会費20,000円で、国内のカードラウンジに加えて世界中のラウンジが利用できるプライオリティ・パスが無料、出国時と帰国時の手荷物空港宅配無料サービスと、プラチナカードとして基本的なサービスは押さえており、かつ年会費もプラチナカードとしてはリーズナブルといえるカードです。
国内航空機遅延保険が利用付帯されるクレジットカード
こちらは自動付帯のカードよりも多くなりますので、主なものを掲載しています。
ANA VISA・Master ワイドゴールドカード
JCBブランドでは自動付帯でしたが、VISA・Masterブランドでは利用付帯となります。上位のプラチナプレミアムカードも同様です。保険を適用する為には、航空券をこのカードで購入しておく必要があります。
MUFGカード・ゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード
先ほどのMUFGカード・プラチナAMEXの下位に当たるカードです。年会費は1,905円と極めてリーズナブルで、国内航空機遅延保険が利用付帯となるカードとしては最安ではないでしょうか。他にも国内主要空港(羽田、成田、関西、中部、新千歳、福岡)のカードラウンジが利用可能と、コストパフォーマンスは高いです。
なお、より上位でMUFGカード・プラチナAMEXとの間を埋めるカードとして、年会費10,000円のMUFGカード・ゴールドプレステージAMEXもあります。
dカード GOLD
NTTドコモが発行している、ドコモのケータイやドコモ光の利用料金10%還元や、電子マネーiD搭載が特徴のカードです。
年会費は10,000円で、国内のカードラウンジが利用できるのは一般的なゴールドカードと同様ですが、このクラスで国内航空機遅延保険が利用付帯となるのは大きな特徴ですね。(他には前述のMUFGゴールドプレステージAMEXぐらいです)
ドコモユーザーなら、こちらのカードの方がおすすめでしょう。
クレジットカードについてまとめ
多くのクレジットカードを確認しましたが、国内の航空機遅延保険は海外のみと十分と考えられているのか、付帯されていないカードや、付帯されていても航空券の決済が必要な利用付帯のカードが多く、年会費が高いプラチナカードなどでもこの傾向が変わらないのが意外であり注意が必要でしょう。
逆にJCBブランドのカードは国内旅行でも自動付帯となるものが多く、唯一の日本発国際カードブランドの面目躍如ですね。
自動付帯のカードを持っていないけれど、マイルで旅行したい場合は?
マイルで旅行というと、真っ先に思い浮かぶのは特典航空券ですが、これではクレジットカードの利用付帯の条件を満たすことができません。
しかしANAやJALなら、マイルをANA SKYコイン、e JALポイントに交換して航空券を購入することで、利用付帯の条件を満たすことができます。
ANA SKY コインや、e JALポイントでの航空券購入時には、使用するポイント数を自分で決めることができ、残額をクレジットカードで支払うことができます。
航空券代金の大半をマイルから交換したポイントで支払い、一部の金額を航空機欠航保険が付帯するクレジットカードで支払えば、利用条件を満たすことができるのです。
「十分にマイルがあって国内旅行に使いたいけど天候が不安」という場合は、この方法か、次に紹介する保険に別途加入する方法を検討してみてください。
ANA SKYコイン、e JALポイントについては、こちらの記事をご覧ください。
カードに保険が付いていないなら、加入できる保険は?
悪天候が予想される際の旅行で、手持ちのクレジットカードで利用できる保険がない場合や、特典航空券を利用したい場合は、どうしたら良いでしょうか。
対策のひとつとして、保険に別途加入する方法があります。インターネットで加入できる2社の保険を紹介します。
AIG損保 国内旅行傷害保険
この保険のメインは国内旅行傷害保険ですが、さらに航空機欠航保険を追加することができます。私が試しに4泊5日の旅行で見積もったところ、1,547円でした。
ただし、航空機欠航保険を追加する場合は、出発日の10日前までの申し込みが必要なので、注意しておきましょう。
skyticket 国内旅行傷害保険
こちらも国内旅行傷害保険がメインですが、最初から航空機欠航保険がセットになっています。こちらも試しに4泊5日で見積もると1,206円でした。
なお、こちらの保険は出発当日まで申し込みが可能ですので、出発前に天候が怪しい時には検討してみると良いでしょう。
まとめ
ゴールドカードやプラチナカードがあれば保険は十分、と思っていても、意外にも国内旅行はカバーされないことがあります。また、国内航空機欠航保険があったとしても、利用付帯かつ特典航空券の旅行だとカバーされないという落とし穴もあったりします。
こういった事態に備えて、ぜひ旅行前にはお手持ちのクレジットカードの保険内容を確認してみてください。
以上、「欠航などに備えて 国内航空機遅延保険まとめ(2019年6月)」でした。